資産運用って何から始めればいいの?初心者が知るべき選択肢10選
2025.05.17

資産形成のスタイルが、「貯蓄」から「投資」へとシフトしつつある現在、資産運用に興味はあるけれど、資産運用ってそもそも何?どうやって始めればいいの?損をするのが怖い。といった不安から、なかなか一歩が踏み出せない方が多くいらっしゃいます。
そんな方のために、資産運用初心者のための資産運用ブログを10回シリーズでお届けしてまいります。このブログを読んでいただき、「?」や不安を解消し、資産運用への第一歩を踏み出すきっかけにしていただけるとうれしく思います。
資産運用と一言でいっても様々な方法があります。1回目となる今回は、資産運用にどのような種類があるのかを解説していきたいと思います。
Contents
1・預貯金
私達にとって馴染みの深い預貯金も資産運用カテゴリの一つです。銀行や信用金庫などの金融機関にお金を預けていると、金利がついてお金が増えます。
預貯金のメリット
① 管理が簡単なこと
② 必要な時にはすぐ引き出して使えること。
③ 元本が保証されていること。(もし預け先の金融機関が倒産してしまったとしても、預金者一人につき元本1000万円が保証されます。)
預貯金のデメリット
① 金利が非常に低いため、大きなリターンは期待できないこと。
向いている傾向にある人
預貯金での資産形成は、元本割れのリスクは絶対に避けたい人、投資に抵抗がある人に選ばれる傾向があります。
2・外貨預金
外国のお金で預金をすることです。日本円で預金をするより、金利が高い傾向にあります。円と外国のお金をいくらで交換するかの指標、為替レートによって利益を得ることもあれば、損をすることもあります。
外貨預金のメリット
① 日本円で預金するよりも金利が高い傾向にあること。
② 為替差益を得られる可能性があること。
③ 損失が出た場合、他の所得と相殺して税金の支払いを減らすことができること(損益通算)*できない場合もあります。
外貨預金のデメリット
① 為替変動リスクがあること。
② 利息や為替差益を得た場合は、税金がかかること。確定申告が必要な場合もあります。
③ 為替手数料がかかること。
④ 日本の金融機関に預けた場合と異なり、元本保証はないこと。
向いている傾向にある人
外貨預金での資産形成は、為替変動リスクを理解している人、中長期での運用をしたい人、株やFXほどの利益はなくとも、比較的少ないリスクで利益を狙いたい人に選ばれる傾向があります。
3・生命保険
生命保険の中には、「万が一の保障」だけでなく、将来のためにお金を貯めたり、増やしたりできるタイプの保険があります。終身保険、養老保険、個人年金保険、外貨建て保険などの「貯蓄型保険」です。どのタイプも、保障を受けながら、お金を増やすことができます。
生命保険のメリット
① 保険会社による運用は安定性を重視する傾向にあるため比較的リスクが低いこと。(商品タイプにより異なる)
② 万一の際に備えて準備ができること。
③ 年末調整時に、生命保険控除を活用して所得税や住民税の軽減ができること。
生命保険のデメリット
① 保障をつけることで保険料が高くなること。
② 保険期間が満了する前に、何かしらの理由で途中解約してしまうと、預けた金額より少ない金額で戻ってくる可能性があること。
向いている傾向にある人
生命保険での資産形成は、保障と貯蓄を同時に準備したい人、中長期で運用したい人、元本割れはしたくないけど、ちょっとでも増やしたい人に選ばれる傾向があります。
※貯蓄型保険は、
4・債券投資
債券投資とは、国や地方公共団体、企業などが、運営するための資金を調達するために発行した有価証券、債券を購入し、それに付随した利息を受け取ることできる投資方法です。
金利が下がると、債券価格が上昇する傾向にあるため、経済が不安定なときに強い投資法といえます。
債券投資のメリット
① 値動きが比較的穏やかなため比較的リスクが低いこと。
② あらかじめ決められた利率に基づいて、定期的に利息が支払われること。(満期を迎える前に売却して利益を得ることもできます。)
③ 損益通算ができること。損失を最長3年間繰り越すこともできます。(繰越控除)
債券投資のデメリット
①債券価格が下がった局面で途中売却をすると損失を被る可能性があること。
② 元本割れするリスクもゼロではないこと。
③ 安全性が高い国債などは、利率が非常に低いこと。
④ 利息収入、売却益などに、20.315%の税金がかかること。
向いている傾向にある人
債券投資は、リスクをできるだけ抑えて、中長期的な運用をしたい人、定期的な収入を得たい人に選ばれる傾向があります。
5・株式投資
株式投資とは、株式会社が発行する証券を購入し、その会社の株主となる投資法です。
株を保有していると、企業の利益に応じて、年に1〜2回「配当金」が支払われます。物価が上がると、企業の売上や利益も増える傾向があるため、株式は物価上昇時に強い資産といわれています。預貯金や債券よりも高いリターンが期待できますが、その反面リスクも高くなります。
株式投資のメリット
①株価が上昇し、買ったときの価格より高く売れば利益を得ることができる。
② 株主優待を受けることができる。
③ 損益通算・繰越控除ができる。
株式投資のデメリット
① 株価が短期間で大きく値下がりすることがあること。
②投資したお金が減ってしまう、戻ってこないリスクがあること。
③ 配当金・売却益などに税金がかかること。確定申告が必要な場合もあります。
向いている傾向にある人
株式投資は、リスクがあることを理解しながら、中長期で資産を増やしたいと考えている人に選ばれる傾向があります。
6・FX(外国為替取引)
FXとは、異なる通貨を売買することで利益を狙う投資のことです。
現在のレート(取引価格)から、その通貨の値動きが上がるのか下がるのかを予測し、予測が当たれば利益を得ることができます(為替差益)。また、通貨の金利差によって発生する利益を狙うこともできます(スワップポイント)。
FXのメリット
① 少ない資金で元本より大きな金額を動かすことができること。
② 金利差のある通貨ペア(例:円 vs 高金利通貨)を保有していると、日々、金利差収入(スワップポイント)をもらえる場合があること。
③ 損益通算・繰越控除ができること。
FXのデメリット
① 予想とは逆に相場が動くと、大きな損失を被ること。
② 値動きが大きいため、常に相場をチェックしていないと不安になりがち。
③ 為替差益、スワップポイントに対して税金がかかること。確定申告も必要です。
向いている傾向にある人
FXは、世界のニュースや経済に敏感で、短期的な値動きを狙うのが得意とし、リスクを理解してコントロールできる人に選ばれる傾向があります。
※FX取引は高いレバレッジを活用することで、
7・投資信託
投資信託とは、多くの投資家から集めたお金を運用会社に預けて代わりに運用してもらい、その運用成果を投資家に分配する金融商品のことです。運用会社が株式や債券などに分散して投資し、その運用成果を投資家に還元しています。
投資信託のメリット
① 少額からはじめられること。
② お金のプロが運用してくれること。
③ 分散して投資を行うため、リスク回避ができること。
④ 損益通算・繰越控除ができること。
投資信託のデメリット
① 購入手数料や、運用管理費などの手数料がかかること。
② 元本保証がないこと。
③ 短期運用には向いていないこと。
④ 分配益・売却益に税金がかかること。確定申告が必要な場合もあります。
向いている傾向にある人
投資信託は、自分で投資の勉強をするのが難しく、運用をプロに任せたい人、長期的な資産形成をしたい人に選ばれる傾向があります。
※投資信託は元本が保証されている商品ではなく、
8・金投資
金投資とは、金の延べ棒(インゴット)や金貨を資産として購入・保有する投資方法のことです。物価上昇時や経済不安の際にも価値を保ちやすい「安全資産」といわれています。毎月一定額、少しずつ金を購入(純金積立)することができます。
金投資のメリット
① 物価上昇時や通貨の価値下落局面に強いこと。
② 長期的に価値が下がりにくいこと。
③ 少額から始められること。
金投資のデメリット
① 利息や配当がないこと。(運用益は値上がりによるもののみ)
② 金の価格変動で価値が下がることがあること。
③ 現物保有の場合、盗難や紛失リスク、劣化リスクなどを避けるための保管コストがかかること。
向いている傾向にある人
金投資は、できるだけ安全資産で資産形成をしたい人、長期で資産形成をしたい人に選ばれる傾向があります。
9・NISA(少額投資非課税制度)
NISAは、個人の資産形成を支援するために、日本政府が導入した制度です。2024年にNISA制度が改正され、旧つみたてNISA・旧一般NISAの制度から、「つみたて投資枠」・「成長投資枠」の2体制の投資枠に整えられました。
NISAのメリット
① 運用することで得た利益に税金がかからないこと。
通常、株式や投資信託の利益には約20%の税金がかかりますが、NISAを利用すれば、一定の投資枠内で得られた利益や配当金が、所定の条件の下で非課税となります。
② 少額から投資可能であること。
NISAのデメリット
① 投資対象が限られていること。「つみたて投資枠」では株式に投資することはできません。「成長投資枠」でも株式・投資信託ともに対象銘柄は限定されています。
② 損益通算・繰越控除ができないこと。
③運用次第で元本を下回ってしまう可能性があること。
向いている傾向にある人
NISAは、税金をできるだけ抑えたい人、将来にむけて長期運用をしたい人に選ばれる傾向があります。
10・iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCoは、国が用意した私的年金制度で、自分で積み立て運用をしながら老後資金を作る制度です。
iDeCoのメリット
① 税制優遇が多いところ。1年分の掛金は、全額その年の所得金額から差し引くことができるため、所得税と住民税を軽減することができます。
② 運用益が非課税であること。
③ 60歳以降の受取時に退職金控除や公的年金控除などの税制優遇が受けられること。
iDeCoのデメリット
① 年金制度であるため、原則60歳まで引き出すことはできないこと。
② 運用次第で元本を下回ってしまう可能性があること。
③ 口座管理手数料がかること。
向いている傾向にある人
iDeCoは、節税しながら老後資金を作りたい人、長期での運用をしたい人、60歳までお金を引き出さずとも大丈夫な人に選ばれる傾向があります。
※NISA・iDeCoは税制優遇制度であり、
資産運用の種類まとめ
さまざまな資産運用の種類をご紹介いたしました。それぞれの方法にメリット、デメリットがあり、高いリターンを求めれば求めるほどリスクが伴うことがわかりました。
比較的リスクが低い方法を選ぶのであれば、預貯金、外貨預金、債券投資、金投資あたりですが、得られる利益は大きく期待はできないかもしれません。
株式投資、FXは運用次第で高い利益を狙うことも可能ですが、その分リスクは高くなります。
運用をプロにお任せしたいのであれば、生命保険、投資信託という方法があります。
また利益や配当金に税金がかかる場合があることもわかりました。利益が出た際の税金を少なくしたり節税したいのであれば、NISAやiDeCoを活用するとよいですが、NISAでは投資対象が限定されていることや、IDeCoは60歳まで引き出せないことなどを踏まえておかなければなりません。
資産運用を始めるうえで大事なこと
ここまで読んで頂いて、結局、自分にはどの方法が合っているのだろう?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
自分に合った方法で資産運用を始めることができればいいのですが、それがわからないから、怖い、一歩が踏み出せない。という方が多いのかもしれません。
資産運用を始めるうえで、まず、大切にしていだきたいことは、「資産運用の目的」をしっかりと考えていただくことです。
資産運用を初めたいと思ったきっかけや、資産運用でお金を増やした後に叶えたい夢などをまず考えてみてください。
目的が明確であれば、あとどのくらいの時間で、どのくらいの資金で、いつまでにどのくらいの運用益がでていればよいのか、ある程度の道筋をたてることができます。
道筋ができれば、それにあった方法を選ぶことができます。
よくわからないまま、やみくもに高いリターンを求めて、大切な資産を失ってしまった。という悲しい事態を招かないためにも、目的をはっきりとさせたうえで、初めての資産運用にのぞんでいただきたいと思います。
次回は、資産運用のリスクについて詳しく解説していきたいと思いますのでお楽しみに!
※本記事の情報は、
※文中の内容は2025年5月時点の制度・情報に基づいており、
FAQ(よくある質問)
Q1. まず何から始めたらいいですか?
A.資産運用を始めるうえで、まず、大切にしていだきたいことは、「資産運用の目的」をしっかりと考えていただくことです。
資産運用を初めたいと思ったきっかけや、資産運用でお金を増やした後に叶えたい夢などをまず考えてみてください。
Q2. どの方法を選べばいいのかわかりません
A.資産運用の目的を明確にし、「あとどのくらいの時間で、どのくらいの資金で、いつまでにどのくらいの運用益がでていればよいのか」を考えてみてください。そうすればある程度の道筋をたてることができます。道筋ができれば、それにあった方法を選ぶことができます。
各運用方法の「向いている傾向にある人」も参考にしてみてください。
Q3.どんな方法でもリスクがありますか?
A.それぞれの方法にメリット、デメリットがあり、高いリターンを求めれば求めるほどリスクが伴います。やみくもに高いリターンを求めて、大切な資産を失ってしまった。という悲しい事態を招かないためにも、目的をはっきりとさせたうえで、初めての資産運用にのぞんでいただきたいと思います。
Q4.NISAとiDeCoってどう違うの?
A.NISAは、個人の資産形成を支援するために、日本政府が導入した制度です。税金をできるだけ抑えたい人、将来にむけて長期運用をしたい人に選ばれる傾向があります。
iDeCoは、国が用意した私的年金制度で、自分で積み立て運用をしながら老後資金を作る制度です。節税しながら老後資金を作りたい人、長期での運用をしたい人、60歳までお金を引き出さずとも大丈夫な人に選ばれる傾向があります。
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