資産運用リスクとは?初心者が知っておくべきリスクと回避方法まとめ
2025.06.17

資産運用ブログシリーズ2回目となる今回は、資産運用のリスクについて解説したいと思います。
資産運用に興味はあるけれど、リスクが怖くて手が出せない。という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
資産運用のリスクについては、「損をする」「お金が減る」という漠然なイメージをお持ちの方が多いのではないかと思います。
資産運用のリスクにはさまざまな種類があります。初心者の方が投資を始める際には、「リスクを正しく理解し、対策を講じる」ことが成功の鍵です。
今回は、代表的な資産運用リスクとその対策方法について解説していきます。
Contents
資産運用のリスク
1.価格変動リスク
投資した商品の値段が下がることで、損をするリスクのことです。
債券、株式、FX、投資信託などの価格は常に変動します。
景気、金利、企業の業績、国際情勢などの影響で価格が上下し、投資したお金(元本)よりも少ない金額になってしまうリスクがあります。
2.信用リスク
企業・金融機関などが、約束通りにお金を払えなくなるリスクのことです。
預金を預かる銀行や債券などを発行している企業が、倒産すると投資したお金が戻ってこなくなるリスクがあります。
3.流動性リスク
「売りたいときにすぐ売れなかったり、思ったより安い値段でしか売れないリスク」のことです。
一部の投資信託や生命保険を使った資産運用商品は、解約に時間がかかる、途中で引き出すと手数料がかかるなどの制限があります。
また、有名な企業の株はすぐに買ったり売ったりできますが、 取引量が少ない企業の株は、売ろうとしても買いたい人がいなくて売れないことがあります。
4.為替リスク
外国の通貨(ドル・ユーロなど)の価値が変動することで、投資の結果に損が出てしまうリスクのことです。
外貨預金を行う際や、海外の債券や株式、外国株に投資する投資信託、FXを行う際は「円高・円安の動きによって、外貨で儲かっても、日本円に戻したら損になるかもしれない」ということを踏まえておかなければなりません。
5.金利リスク
「金利が上がったり下がったりすることで、今持っている債券や預金の価値が下がったり、儲けが減ったりするリスク」です。
債券などの金利に関連する資産は、世の中の金利の変動によって価格が変動します。
一般に、金利が上がると既存の債券価格は下がります。
6.インフレリスク
物価が上がること(インフレーション)によって、お金の価値が下がり、実質的に資産が目減りしてしまうリスクです。
簡単に言うと…
「今は100円で買えたものが、将来は120円になっていたら、同じ100円の価値が下がっている」ということです。
特に現金や預金だけで資産を保有している場合に影響が大きいです。
金利の変動や為替の変動、投資先の業績変化などの理由による投資商品の価格変動、投資先の信用問題、途中解約ができるかどうか、こういった様々なことが要因となり、「損をする」「お金が減る」リスクに繋がることがわかりました。
やはり、リスクが怖いので、リスクを避け、お金が減ることを避けたいと思われた方もいらっしゃるかもしれません。
その一方で、現金や預金で保有していても、お金の価値が下がってしまうリスクがある。とう点には驚いた方も多いのではないでしょうか。
リスクをゼロにすることはできませんが、次のような工夫で抑えることは可能です。
ここからは、リスクをできるだけ抑えて資産運用を始めるコツをお伝えします。
資産運用リスク対策
1.価格変動リスク対策
・複数の資産や地域に分けて投資する分散投資を行い、リスクを小さくする。
・長期投資を基本とし、短期の値動きに一喜一憂せず、時間を味方につけ投資を行う。
・一度に大きく買わず、時間を分けて少しずつ投資する
・ハイリスク商品に偏らず、自分に合ったリスク水準で投資先を選択する
2.信用リスク対策
・1社が倒産しても影響を抑えられるように、複数の発行体に分けて投資する。
・格付けに注目し、高格付けの債券や金融機関を選ぶ
・預金保険制度を活用(日本国内の銀行預金なら1,000万円までは保護される)
・債券や保険商品をよく比較し、金利だけでなく、発行体の信頼性もチェックする
3.流動性リスク対策
・流動性の高い資産(現金や預金)も一定割合持っておく。
・自分のライフイベント(大きなお金が必要になるタイミング)を考えて運用先を選ぶ。
・すぐに使う予定のお金は無理に投資に回さない。
4.為替リスク対策
・為替の影響を抑える仕組みがある為替ヘッジ付き商品を選ぶ(ただしコストがかかる)
・国内外の資産をバランスよく持つために分散投資をする
・為替変動を短期で気にしないでいいよう長期運用を行う
・必要以上に外貨資産をもちすぎないようにする
5.金利リスク対策
・長期債よりも価格変動が小さく、リスクが低い短期債を選ぶ
・債券以外の資産(株、投資信託、預金など)も組み合わせて分散投資をする
・固定金利・変動金利をうまく組み合わせて金利上昇・下降の両方に備える
6.インフレリスク対策
・株式、不動産、物価連動債など、物価が上がっても価値がついてくる可能性がある、物価上昇時に強い資産を持つ
・現金や預金だけに偏らず、いろいろな資産に分けて保有し、長期で分散投資をする
・インフレや経済状況に応じて、定期的に資産配分を見直す
・成長性のある企業に投資する
資産運用リスク対策まとめ
できるだけリスクを避けるためにも、分散投資や長期投資を基本として考えるとよいことがわかりました。また、信頼性のある投資先かどうか、これから伸びしろのある企業かどうかの見極めも投資先を選択する際の大切なポイントです。
そして、大きなお金が必要になるタイミングを考えて運用先を選ぶ。すぐに使う予定のお金は投資に回さない。必要以上に投資しすぎない。定期的に見直す。こういった行動が資産運用を行ううえで非常に重要な点かと思います。
今、資産運用をはじめていいのか、いくらなら運用に回せるのか、どんな資産をどれくらい持っておけばいいのか、自分にとってのリスク許容度を把握したたうえで資産運用にのぞむことがとても大切です。
分散投資:複数の資産や地域に分けて投資を行うことでリスクを軽減。
長期投資:長期的に運用することでリターンを安定化。
信頼性をチェック:信頼性のある企業や、成長性のある企業に投資する
リスク回避:自分のリスク許容度を知る(どのくらいの損失まで許容できるかを事前に確認)
※「
資産運用をはじめる前の準備が肝心
資産運用を行う際のリスクと、その対策について解説いたしました。
運用にはリスクがつきものですが、リスクの内容を理解しておくことで対策を講じることができます。
また、リスクをできるだけ避けるためにも、現段階での家計の状況や資産状況を確認し、これから先の出費が必要となるタイミングを確認することが大切であることがわかりました。
そうすることで、できるだけ安全に運用に回すことができる金額を導き出すことができます。
資産運用をはじめた後で、あのお金が必要だったと後悔することがないように、はじめる前に現状の確認と、これからのライフイベントについて見直す時間をもつことができるとよいですね。
ご自身での確認が難しい場合はファイナンシャルプランナーに相談するのも良い方法です。
資産運用をはじめる前の準備が肝心と心得ておきましょう。
次回は円高・円安について解説していきますのでお楽しみに!
※本記事の情報は、
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FAQ(よくある質問)
Q1. 資産運用の「リスク」とは具体的に何を指しますか?
A.金利の変動や為替の変動、投資先の業績変化などの理由による投資商品の価格変動、投資先の信用問題、途中解約ができるかどうか、こういった様々なことが要因となり、「損をする」「お金が減る」リスクに繋がること。
Q2. リスクを完全に避ける方法はありますか?
A.リスクをゼロにすることはできませんが、できるだけリスクを避けるためにも、分散投資や長期投資を基本として考え、大きなお金が必要になるタイミングを考えて運用先を選ぶ。すぐに使う予定のお金は投資に回さない。必要以上に投資しすぎない。定期的に見直す。こういった行動が資産運用を行ううえで非常に重要な点かと思います。
Q3. 投資初心者がまずやるべきリスク対策は?
A.現段階での家計の状況や資産状況を確認し、これから先の出費が必要となるタイミングを確認することが大切です。そうすることで、できるだけ安全に運用に回すことができる金額を導き出すことができます。資産運用をはじめる前の準備が肝心と心得ておきましょう。
Q4. 為替リスクってどう対策すればいいの?
A.為替ヘッジ付き商品を選ぶ、国内外の資産をバランスよく持つために分散投資をする、為替変動を短期で気にしないでいいよう長期運用を行う、必要以上に外貨資産をもちすぎないようにする。といった対策が考えられます。
Q5. インフレでお金の価値が下がるって本当ですか?
A.物価が上がること(インフレーション)によって、お金の価値が下がり、実質的に資産が目減りしてしまう可能性があります。株式、不動産、物価連動債など、物価が上がっても価値がついてくる可能性がある、物価上昇時に強い資産を持つことが有効です。
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