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積立NISAありきで投資をするのが危険な理由

2022.11.15

積立NISAありきで投資をするのが危険な理由

積立NISAをはじめたい、そういってご相談に来られるお客様が多くいらっしゃいます。

 

積立NISAは最近注目されていますし、SNSやWEBなどでもしたほうがいいという投稿をよくみかけます。でも本当にそうでしょうか?

 

あなたの夢は何ですか?

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投資を始めたいとご相談に来られた方に、私がいつも最初にする質問は、「あなたの夢は何ですか?」ということです。なぜそう思ったかということも聞くようにしています。

これを最初に聞く理由は、夢を持っていると人生設計がしやすくなるからです。

夢や目標がないと考えがふらふらしてしまい、情報に左右されがちです。

投資についても同じことがいえます。

 

誰しも何かしらの夢があるはずです。今の生活をもっと豊かにしたい、豊かな老後生活を送りたい。あるいは、子供に十分な教育を受けさせたい、旅行にたくさん行きたい、マイホーム購入に使いたい。などお金を必要とする理由は人それぞれです。

ではその夢、目的を叶えるためにはいくらあればいいのか、という事を考えれば、自分にとって必要な金額がみえてきます。

その必要額を達成するために選ぶべき手段もみえてきます。

そのお金はあと何年後に必要なのか、それまでに目標額を達成するためには、月々にいくらずつ積立をして、何%の利回りで運用していけばいいのか、ということを考えることができます。

 

例えば、目的が老後資金であった場合、老後に必要な金額はいくらなのか、年金額を考慮して不足額をシミュレーションします。その目的額にむけて、毎月いくらずつの金額を何年間、どのくらいの利回りで運用していけばいいのか、という視点から具体的な商品を選んでいきます。

その銘柄のこれまでのリターンや、リスクに対してのリターンのバランスなどを鑑みながら最終的に銘柄を選定します。

そしてはじめて、その選定した銘柄が税制優遇制度のある積立NISAの対象であるかを確認します。

 

本末転倒な投資先選択

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ところが投資を既にしている、あるいは始めようとしている方達の多くはこの逆の方法で投資先を選んでいるように思います。

ゴールの確認をせずにまず優遇税制制度がある商品から決めようと、つまり積立NISAの対象銘柄から投資先を選ぼうとしているのです。

ですが、その方法では本当の目的にあっている商品を選べません。

その結果、必要以上のリスクをかけて必要以上のお金を運用にまわしてしまっている可能性があるのです。

そのために、今一番お金をかけなければならない本当に必要な部分を見落としてしまっている可能性さえもあるのです。

こういう方が増えている背景には、SNS等で投資についての情報が錯乱していることが一つの要因であると感じています。

 

情報に振り回された投資家を増やさないためにも、投資をはじめたい相談者に投資についての正しい知識を認識してもらうことが大切です。

投資をする上でとても大事なことは、これから成長が見込める会社に投資をすることです。それを知るためにはまず自分が投資しようとする投資先を理解する必要があります。

投資したい会社はどういう会社で、これからの成長が見込みめるのか。その会社のポジティブとなること、ネガティブとなることを投資家自身が理解できていることが大切です。

 

積立NISAをおすすめしない理由

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積立NISAであれば損しない。そんな思い込みがあるために、投資初心者が安易に積立NIISAに手をだしてしまう状況をつくりだしてしまっているようにも思います。

積立NISAにリスクはあることをどのくらいの投資家が理解しているのでしょうか。

なんとなく投資先を選び、高いリターン率を求めることで、結果的に必要以上に高いリスクをとりすぎている投資家が多くはないでしょうか。

 

私が積立NISAをおすすめしない理由は3つあります。

 

積立NISAをおすすめしない理由1点目は、投資先が制限されていることです。これは積立NISAの最大のデメリットです。

積立NISAで投資できる銘柄は現時点(2022/10/14)で215銘柄です。

(積立NISA対象商品届出一覧https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20170614-2/24.pdf参照)(2022年8月18日時点金融庁発表)

それと比較して、一般NISA対象銘柄は国内上場株式、上場ETF、REIT、投資信託など投資先は20,000銘柄です。

一般NISAと比較して積立NISAの対象商品がいかに少ないかがおわかりいただけると思いますが、この積立NISA対象銘柄215銘柄の中から各証券がさらに選定して販売されています。

この限定された銘柄の中から自分が目標を達成するために必要な投資先を選べるとは思えません。

投資したい投資先が積立NISAの中にあって、それを選ぶのであればよいのではないかと思います。

 

積立NISAをおすすめしない理由2点目は、積立NISAで選択できる資産は主にインデックス投信です。

インデックス投信であれば損しないと思われている方も多いようですが、そうとは限りません。

インデックス投信は、連動する指数が、安定的に株価が上がる視点では決められているわけではありません。

そもそもインデックス投信とは、市場の値動きに連動するような値動きを目指す投資手法です。

代表的なインデックスの中に日経平均株価があります。日経平均株価は日本に上場する企業225社の株価に連動しています。

その採用銘柄は日本経済新聞社が決めています。その選定基準は、

「長期間にわたる継続性の維持と産業構造変化の的確な反映という2つの側面を満たしながら、市場流動性の高い銘柄で構成する指数とします。」となっています。

(日経平均株価 構成銘柄選定基準https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/archives/news/20220727J_3.pdf参照)(2022/10/14時点)

株価が今後上昇する見込みがあるという選定基準で選ばれているわけではないのです。

株価が上がる可能性のある会社に投資をしなければ、期待するリターンは望めません。

 

積立NISAをおすすめしない理由3点目は、積立NISA銘柄の決められ方にあります。

積立NISAの銘柄を決めているのは金融庁です。

金融庁が決め手としているポイントは、

  • 法外な手数料をとっていないか
  • 情報をきちんと開示しているか
  • 過去の運用実績が安定しているか

ということです。健全な運営をしていることは大事かもしれませんが、過去の運用実績が安定しているからといって将来の運用実績が保障されていることにはなりません。

 

これら3つの理由から積立NISAを構成する銘柄が、将来の株価が上がる視点で選ばれていないことがわかります。

市場の値動きに連動していても、過去の運用実績が安定していても、それらはこれから安定的に株価が上がる視点にはなりません。

本当に選ぶべき投資先は、将来運用実績がみこめる会社です。

 

これから先に成長が見込める銘柄に投資をしなければならないのに、積立NISAの限定された銘柄の中からなんとなく銘柄を選んで、なんとなくの金額を投資することに何の意味があるのでしょうか。

忘れてはならないことは、投資は目的を達成するための一つの手段だということです。

一番してはいけないことは事業内容を理解できない会社や金融商品へ投資することです。

 

目的の確認から始めましょう

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投資相談者に最優先ですすめることは、なんのために投資を始めたいのか、自分の夢は何なのか、まず目的の確認を行うことです。

目的に必要な金額を理解してもらってはじめて、それに沿った運用期間や利回りなど適した商品を選ぶことができます。

投資をする以上、損をするリスクは必ずあります。ですが、投資をする目的を明確にすることで大きなリスクを回避できる可能性があります。

 

今回は積立NISAに絞ってお話しましたが、iDeCo(個人型確定拠出年金)も同じように、投資先が制限されていますので、同じように注意していただきたいと思っています。

 

 

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